- ことばの種(STさんのつぶやき)
ちゃんとして!
お子さんに注意するとき、「ちゃんとして!」と、声をかけてはいませんか?
…ええ、そのお気持ちはわかりますよ、もちろん!
そんな、難しいことを要求している訳じゃないですもの。
当たり前のことを、当たり前に。
本当に、ただ普通に、「ちゃんと」してほしいだけですものね。
大人の感覚では「ちゃんとして」が、その状況と、思いを、最もよく表したことばです。
でも、もしも、同じような状況、場面で、「ちゃんとして!」と言わなければならないことが続くなら、ちょっと考えてみましょう。
その子は「ちゃんとする」が、どういうことか、知っているでしょうか?
大人がお話している時、相手の方を向いて、目を見て聞くのが、「ちゃんと聞く」ということ。
椅子に深く腰かけて、床に足をつけ、背中をピンと伸ばすのが、「ちゃんと座る」ということ。
左右の靴を揃えて、靴箱にいれるのが、「ちゃんと靴をしまう」ということ。
手を添えて一緒にしたり、絵カードやお手本を見せたりして、大人の考える「ちゃんと」を、なるべく具体的に知らせてあげる必要があるかもしれません。
「ちゃんとして」と言われて、ちゃんとできるためには、「ちゃんと」が示すことを知っていなければなりません。
また、その「ちゃんと」がいつでもできるようになるには、本人なりの納得が必要です。
関わる大人が、一貫して、共通した「ちゃんと」を示し続けること。
(人によって違うことを求められたり、時によって「ちゃんと」してないことを容認されたりすると、子ども達が混乱します。)
「ちゃんと」できた時に、「今、できてるよ」「これが、マル◎だよ」と伝え、そのがんばりを認めること。
(できていないことを注意されるより、「今のこれが、ちゃんとできた!だよ」と、実際の場面で伝えられる方が、実感をもって分かりやすいです。ほめられることで、モチベーションも上がりますね。)
こうしたことを、大人が根気よく繰り返すことで、望ましい行動が身に付いていきます。