- ことばの種(STさんのつぶやき)
面白がって笑っている?
大人に注意された時、へらへらっ…と笑顔になる子どもがいます。
叱られているということが分かっていないとか、大人の反応を面白がっていると、思われ勝ちな行動ですね。
年齢や発達が幼い頃には、自分の行動に大人が反応してくれた!遊んでくれてる♪と誤解して、喜んで笑ったり、同じ行動を繰り返したりすることがあります。
そういう場合には、大人が意識して、今は「ダメって言ってるんだよ。」「その行動は、やめてほしいんだよ。」と、伝える必要があります。
注意する時、優しく伝えようとして、笑いながら声をかけたりはしていませんか?
大人同士であれば、相手にとって良くない情報を伝える時に、あえて表情をやわらかくするというのは、コミュニケーションのテクニックとして、有効な場合があります。
でも、子どもとのコミュニケーションでは、伝えようとする内容と、表情が一致していないと、混乱させてしまう場合があります。
これは、外国語話者や、耳が聞こえにくい方等、何らかの事情で音声言語でのコミュニケーションに不馴れな方と会話する場合にも言えることです。
どうも伝わりにくいな…と感じる時には、ご自身の表情にも、少し気を配ってみてください。
(私は、某企業で営業職をしていた頃、鏡の前で百面相をして、表情の練習をしていました😁)
それから、もう1つ、考えてみていただきたいのは、その子どもは、本当に面白くて笑っているのかな?ということです。
笑顔に見えるその表情ですが、それって、本当に楽しんでいる表情でしょうか?
相手が子どもだと、忘れがちなのですが、人って、困った時にも、笑うんですよね…。
その場や相手をリラックスさせようとしたり、傷ついた自分の気持ちを守るために笑顔を作ったり、どうしていいか分からないから、取り繕ったり…。
その子どもも、もしかしたら、何を言われているのか、どうしてダメだったのかわからなくて、でも、叱られていることはわかって、困り果てているのかもしれませんよ。
いけなかったことは分かって、それをどうリカバーすればいいのか、わからないのかもしれません。
大好きなママが怒っているのが悲しくて、笑ってほしいよというメッセージかもしれません。
面白いから笑っているのかな?
もし、そうでないなら、その表情の裏にある、本当の気持ちは、何なのかな?
困っているのだとしたら、何に困っているのかな?
良くない行動を注意している時に、へらへら(ニヤニヤ?にこにこ?)笑われてしまうと、「その態度は何なの💢」と、更に叱りたくなってしまうものですが、ちょっとだけ立ち止まって考えてみると、解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
(あくまでも、私の印象ですが、本当に面白がって、いわゆる「大人をなめて」笑っている子どもは、あまり多くないように感じます。)
子どもを注意する時には(大人の場合もそうかもしれませんが)、なるべく、短く、(その子にとって)分かりやすい方法で、具体的に。
それから、できれば、みんなの前ではなく、2人きりでお話することや、子ども自身を否定する(それをやっちゃった「あなたは悪い子」)のではなく、行動だけを注意する(「~するのは、やめてほしい」等)伝え方をするように意識すると良いように思いますよ。
(注意されて笑ってしまう子、わりと繊細で傷つきやすい子が多い気がするので…)