- ことばの種(STさんのつぶやき)
お隣へ、ハイ🎵
年長さんたちの「おべんきょう」の場面で、子どもたちが意外に苦手なことがあります。
それは、配布物(紙、鉛筆、制作材料等)を、「1つ取って、残りをお隣のお友だちに渡す」という手順です。
さすが年長さん、1つが自分の分、残りはお友だちの分というのは、しっかりわかります。
そして、とっても親切なセンターの年長さんたちは、自分の分を取ったら、残りをお友だちに1つ1つ配ってくれます。(ありがとう。)
でも、小学校で求められるのは、「自分の分を取ったら、残りは全部まとめて次の人に渡す」ことなんです。
幼稚園、保育園、センターでは、職員が1人1人に手渡すことが多いかと思います。(そもそも配布物が少なく、自分でファイルや袋に入れる機会があまりないですね。)
小学校に上がると、ご家庭へのお知らせや、学習課題などが、紙で配られることが増えます。
1クラスの人数も多く、先生が1人1人手渡すのは難しくなりますね。
そこで、「1つ取って、残りをお友だちへ」です。
簡単なようでも、経験していないことは、案外難しいものです。
学習内容についても、同じことが言えます。
数字やかずの概念はわかっていても、初めて算数の問題(左のイラストと同じ数だけ、右の丸を塗りつぶすetc.)を見ると、どうしていいかわからないということは、よくあります。
字は読めるけど、教科書を1人で静かに読むのではなく、みんなで声を合わせて読んだり、椅子の横に立って大きな声で読んだり…と言われると、戸惑ってしまうこともあります。
本当は色々なことができる年長さん。
でも、小学校に上がり、新しい環境になると、戸惑い、立ちすくんでしまうかもしれません。
それは、自然なことですよね。
子どもたちが、自信を持って小学校生活のスタートを切れるように、学校で求められるだろう様々なことを、少しずつ経験してもらっています。
年長さん、小学校入学に向けて、がんばっています。
年中さん、年少さんたちも、一緒に色々な経験を増やしていこうね。
文責:児童発達支援センター伊予くじらST