Social Welfare Corporation KUJIRA

  • ことばの種(STさんのつぶやき)

出会いと、世界🌏の広がり

3月4日から2週間、実習生が来てくれていました。

人見知りしたり、甘えてしまったりして、リズムが乱れちゃうかな…と、少し心配していたのですが、すぐに打ち解けて、いつも通りにがんばるみんなに、成長を感じました。

さて、そんな中、そらチームでのエピソードです。

絵カードでの意思表示を習得中の、Aちゃん。

これまで、私を含む、数人に対してしか、絵カードを使用していませんでした。

その「絵カードで伝える相手」が近くにいないと、じっと待っていたり、近くに他の職員がいても、特定の職員を探してカードを見せに行ったりします。

それぞれの職員が、他の子どもたちの対応や作業などをしている中で、「この人は、いつでもぼくの対応してくれるんだよね。」と、Aちゃんなりに役割を決めているのでしょう。

誰に対してでも、絵カードを使って思いを伝えられることがわかれば、コミュニケーションがより広がると思うのですが。

どうすれば、もっとたくさんの人に伝えようとする行動につながるかな?

…と、考えていた矢先の給食の時間でした。

「Aちゃんが!おかわりが欲しいそうです!!」

と、実習のR先生からの声が!

なんと、なんと🎵

出会って間もない、R先生に、絵カードで「おかわりちょうだい!」と伝えることができたんです。

穏やかに、丁寧にかかわってくれたことが、「この人なら、お話、聞いてくれそう」という安心につながったのかな?

もちろん、センターの他の職員だって、Aちゃんのお話、ちゃんと聞く準備はあるんですよ。

でも、Aちゃんの中で「給食を配る人」「Bちゃん(他の子)の対応をする人」など、別の役割が割り振られているために、発信(絵カードで伝える)につながりにくかったのでしょう。

絵カードを使った意思表示の力が十分に育ってきたタイミングで、別の役割が振られていない大人(実習生)が来て、真摯に関わってくれたことが、Aちゃんのコミュニケーションを一歩前進させたと思います。

センターには、Aちゃん以外にも、自分から思いを伝えるのが得意でないお子さんが多くいます。

自信がなかったり、恥ずかしかったり、どんな風に伝えればいいかわからなかったり…。

理由は様々です。

ですが、今回、実習の先生たちが、一生懸命かかわり、発信の気配(それこそ、「ことばの種」と呼びたいような、ちょっとした表情や仕草など)を、読み取ろうとしてくれたことで、子どもたちが自分の思いを伝えようと行動する場面がありました。

特定の相手以外にも、思いを伝えられるということは、困った時に他者に助けを求めることにつながります。

進級、進学などで、周囲の人的環境が変わることに適応することにもつながっていきます。

ほんの小さな一歩に見えるかもしれない、その一歩で、子どもたちの世界🌏は大きく広がっていくことでしょう。

実習の先生たち、子どもたちの行動やことばに、丁寧にかかわってくれて、ありがとう。

たくさん遊んでもらって、みんな、楽しかったね✨

文責:児童発達支援センター伊予くじらST

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