Social Welfare Corporation KUJIRA

  • ことばの種(STさんのつぶやき)

「大好きなの?」

くじらチームでのできごとです。

お友だちとのかかわり方は、センターの子ども達に限らず、小さな子どもにとってはなかなか難しいものです。

仲良くしたいから、近づきすぎて「いや!」と言われてしまったり。

一緒に遊びたくて、同じおもちゃで遊んでいたら、取り合いになってしまったり。

自分にとって「楽しい🎵」が、お友だちにとっては嫌な場合もあります。

Aちゃんは、ぬりえやブロック遊びが上手で、お友だちから憧れられる存在の1人です。

そのため、お友だちから注目されたり、アプローチされたりすることが多いのですが、時には1人でしっかり遊び込みたいこともあります。

だから、お友だちからの介入が気になって、「やめて」と怒ることがあります。

ある時、やはりお友だち(Bちゃん)からジ〜ッと見られ、その視線の圧力が苦しくなってしまいました。

「もう!こっち見ないで💢」と、怒って掴みかかりそうに…。

「あっ!」と、制止しようとしたのは、周囲の職員です。

ところが、もっと効果的にその場を収めたのは、側にいたCちゃんでした。

「あー、Aちゃん、Bちゃんのこと、大好きなの?」と。

これにはAちゃんも、なんだか力がぬけてしまったようです。

へにゃっと笑って、

「大好き」と、ハグして席に戻りました…。

そう、Aちゃんだって、Bちゃんが嫌いなわけではないのです。

むしろ、大好きだからこそ、その行動が気になるのですよね。

もしも、この時、「叩いちゃダメ」「乱暴しないで」と、Aちゃんを制止していたら、どうなっていたでしょう?

大人の対応として、制止することが間違っているわけではありません。

けれど、それでは、「自分の遊びに集中したかったんだ」「Bちゃんのこと、傷つけたいわけじゃないんだ」という気持ちを、わかってもらえなかったと感じて、悲しくなってしまったのではないでしょうか?

実際、こうした場面で、大人の制止に対して「違う!」とAちゃんが訴える場面は、少なからずあります。

Cちゃんの「大好きなの?」という問いかけは、おそらく、Aちゃんの内面の葛藤をわかって発したわけではなかったと思います。

でも、お友だちとの接触を、「叩こうとしている」と断じるのではなく、「大好きなんだね。だからギュッてしに行ったんだよね。」と捉えた、Cちゃんの優しい受け止めが、Aちゃんの気持ちを落ち着かせてくれました。

なるほど、子どもの思いに寄り添った対応というのは、こういうものかもしれない…と、感心したできごとでした。

ちなみに、それからしばらく、くじらチームでは、怒りそうになったお友だちが、ハッと我に返ったように「〜ちゃん、大好き」とハグをするという、優しい光景が見られました。

すてきな流行語を作ってくれて、ありがとう。

先生たちも、みんなのこと、大好きだよ。

文責:児童発達支援センター伊予くじらST

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