Social Welfare Corporation KUJIRA

  • ことばの種(STさんのつぶやき)

取ったり、取られたり…

くじらチームの子ども達のお気に入りの1つが、レゴブロックです。

小さなパーツを組み立てて、かっこいい乗り物を作ったり、壮大な街並みを作ったり、お人形パーツを集めてごっこ遊びをしたり。

それぞれの子ども達の、心の内面世界の広がりが垣間見える、素敵な遊びです。

遊びが広がるのに伴って、子ども達から、「それを使いたいの」「このパーツがいいの」「この色、この形のがもっと必要なの」という発信が出るようになっています。

お友だちに「かして」「交換」と交渉したり、「どうぞ」と譲ってあげたりする場面も、少しずつ増えていますよ。

さすが、くじらチームさんですね。

一方で、小さなトラブルもまた、勃発するようになっています。

①箱の中のブロックは、みんなのものだよ。

②お友だちの前にある(箱から出してある)ブロックは、お友だちが使っているよ。

…というルールが、まだ完全には分からない子もいて、ブロックを1人占めしたくなったり、お友だちが使っているブロックを取ってしまったりすることがあります。

これらのブロック遊びのルールを、子ども達が「わかる」ためには、大人の側の工夫も必要です。

もちろん、ことばで繰り返し伝えることも大切なのですが、まず、「これは、〇〇ちゃんのだよ」「これは、あなたの分だよ」ということが、目で見てわかりやすいようにすることも、有効な方法の1つです。

くじらチームでは、ランチョンマットほどのサイズに切った、すべりめシートを用意し、それぞれ、その上で遊ぶように促しています。

そうすることで、お友だちが使っている、いわば「陣地」と、誰も使っていない、共有のスペースを認識しやすくなります。

また、子ども同士でのやりとりも、大切です。

ルールとして、頭ではわかっていても、遊びに夢中になると、つい手に取ってしまったり、どうしても欲しくて納得できなかったりすることがあります。

この場合、わかっていないわけではないので、大人から言い聞かせられても、なかなか聞き入れにくい場合があります。

そんな時、仲良しのお友だちに「イヤ」と叱られたり(時に泣かれたり)、「これが欲しいの?いいよ」と譲ってもらったりする経験によって、「黙って取っちゃダメだった」「かしてって言った方がいいみたい」と、実感をもって身についていきます。

あるお母様は、こうしたお友だちとのやりとりをお伝えした時に、「社会性が身についてきているということですね」と、受け止めてくださいました。

子ども達にとっても、私たち職員にとっても、本当にありがたく、うれしい受け止めです。

おっしゃる通り、社会性が身につき、お友だちを意識するからこその、いざこざです。

もちろん、大人が見守り、適切に介入する必要はありますが、おもちゃの取り合いや、小さな諍いは、子ども達が成長した証拠でもあり、さらに成長していくために学んでいる過程でもあるんですよ。

取ったり、取られたり。

怒ったり、怒られたり…。

お友だちと、(適度に)ぶつかり、許し合いながら、一緒に成長していきましょうね。

余談ですが、時々お便りやお電話などで、お友だちとのトラブルや、センターで怒ったり泣いたりしたことをお伝えすることがあるのですが…。

「こんなことをがんばっていますよ!」

「今、こんなことが身につきつつあります。」

あるいは、「これをがんばって、しんどかったから、お話を聞いてあげてくださいね😊」という、ご家庭でのお子さんとの関わりのヒントになれば…との思いから、お伝えしていることです。

(事前情報なく、お子さんから「取られた」「怒られた」「先生に叱られた」と訴えがあると、心配になりますでしょう?)

決して、「いけないことをしました!」「こういうところがダメです!」という意図でお伝えしていることではないですよ。

(もちろん保護者の皆様もご理解、ご協力をしてくださっていることではありますが、念のため、補足させていただきます。)

文責:児童発達支援センター伊予くじらST

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